QNAP TS-419P IIの購入経緯(長文注意)
2016.01.13
D800を使っているとHDDがすぐ満杯になります。

写真用HDDが残り1GBを切ったところで流石にもう無理
ということで決断しました。
以下に419P2を買う決め手となった材料を記しておきます。
使用レビューは後日アップします。

私は仕事で多くのお客様のRAID環境に触れる機会がありました。
ほとんどがトラブル解決に関する内容でしたが。
そこで得た経験則とも言える事柄は以下の通り。

【1】Seagate製のHDDは使わない。
【2】RAID1しか使わない。RAID10も使わない。
【3】サーバーの電力消費はバカにならない

1については故障率の問題です。
故障の少なさは日立のHDDがズバ抜けていて、
その後に東芝、WDと続いて、最後にSeagateという感じです。
頻繁に調査を行っているサイトがありまして、
そこのデータと私の体感は、ほぼ一致しています。
(最新の調査報告はこちら https://www.backblaze.com/blog/best-hard-drive/
型番別に見ると多少当たり外れは変わりますが、
Seagateの故障率の高さは群を抜いていて
大事なデータを保存する機械としては使えないと私は考えます。
NASはHDD組み込みタイプで購入するとかなり高価になります。
バッファローの4ドライブで最低ランクのでも16万以上します。
そのようなものにSeagateなんて使われていたら目も当てられません。
そこで、NASを買うならHDDレスの箱物を買うべきと判断しました。
この方法であれば、その時代の安定HDDを安価に使用することができ、
メーカーに囚われず好きな製品を選ぶことができます。
現在日立のHDD部門は買収されてWDやら東芝やらと絡み合い面倒な事になっているようですが、
今後の製品は傾向が変わっていくかもしれませんので要注意です。

2についてですが、RAID5は容量も多く使えて一見良いように思いますが、
ハードウェアRAIDの場合、RAIDカードが故障した場合に同じカード、
もしくは上位互換の物が手に入らないと再構築が困難になる場合があります。
マザー内蔵のものであればもっと危険度合いが増えます。
特に長く使ったサーバーが故障した場合に多く経験しました。
RAID5は1台がエラーになると即座に使用停止になってくれると良いのですが、
警告ランプ表示するだけで案外そのまま使えてしまう製品が多いのです。
2台目が壊れてから初めて故障に気づくといったこともあります。
そうなるとお手上げです。
RAID5は更に怖い部分があります。
1台目が壊れているということは他のHDDも製品的寿命で危ういということ。
すでにコントローラーが見つけられない故障があるかもしれません。
セクタ単位で異常があると再構築ができない為、
全てのデータを失う場合があります。
RAID1(ミラー)であれば、仮に2台両方がセクタエラーで
読み取りできない状況になったとしてもデータを分散せずに保存しているため、
1台のHDD内で必要な情報が収集できます。
つまり故障セクタのデータだけあきらめれば、
その他は救い出せる可能性が高いのです。
2台同時にヘッドや基盤が死ぬということは雷でも落ちない限りないので、
安全度はRAID5にくらべはるかに上です。
最近ではRAID1のNASに、USBのHDDをつけさらにバックアップを取る
といった手法も普及してきました。ここまでくると完璧ですね。
RAID0はHDDの速度が遅い時代にベンチマーク競争でブームになりましたが、
これはデータの保全を考えたものではないので論外です。
速度が欲しいのならSSDを導入しましょう。
RAID10は大容量のHDDが安価な今、リスクを増やしてまでする必要はありません。
以上のことからRAID1で構築することにします。

最近は「復旧天使」という便利なソフトも登場しており大事なデータを救出できるチャンスは増えましたが、
病院があるから病気になってもいいということではないので、事前対策は必要です。

3は家庭で使う場合の話。企業ではサーバーを設置し、
そこにデータベースを構築・RAID化している場合が多いですが、
こういった場合サーバー機はそこそこのCPUを積んでいる為、
消費電力はどんなに低くても一般PCレベルは食ってしまいます。
24時間稼動するとその消費電力はバカになりません。
この電気代が高いご時勢、少しでも押さえたいのが心情です。
以前、HPのMicroServerにHDDを4基いれFreeNASでの構築を考えたことがありました。
このサーバーを使えば消費電力をかなり抑えられる(LED電球1個分くらい)ことは
試算でわかっていたのですが、トータル的なバランスを加味すると
NAS専用機には及ばないという結論に至りました。
一番のポイントは本体に異常を知らせる警告ランプや
HDD番号を表示する液晶がないと困る。というものです。
NASとして使うのであればモニターを繋げませんので、
異常に気がつける自信がありません。
RAID1は1台が壊れたらすぐ差し替えることが重要ですので、
サーバーではこれが要をなさないと思いました。
(まぁ、FreeNASは異常が発見されたらメールを送るといったことができますが、
当時はNASをインターネットに繋げる予定はなかったのでこの機能はない物と考えました。)

以上を踏まえ候補に挙がったのが製品。

QNAP TS-231 Turbo NAS
QNAP TS-419P II Turbo NAS
QNAP TS-420-D

QNAPは旧モデルにもサポートが手厚いです。
しばらくは最新のファームを提供してくれるでしょう。
つまりTS419P2と現行TS420とは機能が殆ど変わらないということです。
まるでiPhoneのiOSのようですね。
折角買うのであればHDDが2基では限界が早いので4基に・・
結果的に安さと汎用性からTS-419P II Turboとなったわけです。

あれ、もうアマゾンさんではTS-419P II Turboは売り切れちゃってますね・・

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