ポリカーボネートフィラメント(PC)を使ってみる。
2020.03.22
強度がとにかく必要。そんな印刷が必要な時の選択肢はABSやPETGが代表ですが、
実はまだ上が存在します。
それはポリカーボネートのことですが、PCと略されている場合が多いのでわかりにくいかもしれません。

耐熱温度
    ABS:70~100℃
    PC:120℃~135℃
耐衝撃性
    ABS:強い
    PC:ABSの5倍の強度
耐薬品性
    ABS:強酸に弱く、ケトンやエステルなどの有機溶剤に対してはひび割れや溶解などを引き起こす。
    PC:アルカリ性の薬剤、溶剤には弱い
耐候性
    ABS:優れるがプラスチックの為完全ではない。
    PC:優れるがプラスチックの為完全ではない。
透明性
    ABS:光沢があり透明しかし、完全には至らない。
    PC:光学部品にも使われるほどの透明度が可能
可燃性
    ABS:燃焼する
    PC:不燃性に優れる

防弾の盾にも使われているという話なのでその強靭さは半端ではありません。
3Dプリンターでも素材として使えるので問題なく印刷できるか試してみたいと思います。
【ジムニー JB23W】キーレスエントリー追加登録
2020.03.19


いろんな事情があって、スズキのキーレス用トランスミッターが手元にきました。
スズキは何種類かトランスミッターがあるけども青基板はJB23Wに合致するらしい。
メインキー以外はキーレスじゃないのでスペアキー用に追加しよう。
裸で持ち歩くわけにはいかないのでケースを作成します。



純正のようにカギを内包すると大きさや強度を考えなきゃいけないのでシンプルな丸形にしました。



耐久性を考えてPETGで造形。ラフト無しサポート無しです。
固定は直径2mm長さ4mmのイモネジで。頭があるネジなんて無粋ですよ(;´Д`)
さて問題は車両に電波を覚えさせる作業だ。
その作業は車種ごとに違っていてファミコンの裏技コード入力のように行う。
JB23W 4型以降の登録は以下の通り。

1.ドアロックヒューズかバッテリーの端子を外して30秒以上待つ。
2.ドアロックヒューズかバッテリーの端子をもとに戻す。
3.全てのドアが閉じている状態で運転席のドアロックノブを手動で
 ロック→アンロック→ロック→アンロック
 と動かす。
4.登録したいキーレスのボタンを1度だけ押す。ここまでの作業が適切に行われていたら
 勝手にドアがロック、アンロックと動く。
5.運転席のドアロックのノブを手動でロックする。
6.登録したいキーレスのボタンを2回押す。


3以降は1分以内に行わないといけない。これが一連の流れ。
だけどこの説明は結構意地悪だ。罠がちりばめられている。
私は気が付くのに結構時間が掛かった。
1番~2番のリセット作業をドアが閉じた状態で行うということに気が付かないと永遠に登録できない。
まずヒューズで行うのはあきらめた方がいい。ヒューズボックスの設置場所が困難な場所にある上に、
ドアを閉じた状態で行うのはシートを外したりでもしないとかなり厳しい。
また同じようなことで悩みたくないので、確実な方法を自分の備忘録としてまとめておく。

1.ボンネットを開ける
2.室内に入り、キーを挿し込み、アクセサリーに入れ、
 パワーウインドウスイッチで運転席側の窓を一番下まで下げる。
3.キーをoffにしてシリンダーから抜く。
4.外に出てドアを全て閉じる。
5.バッテリーのマイナス端子をはずす。
6.30秒以上待つ。
7.バッテリーのマイナス端子を付ける
 (以後の作業は1分以内なので端子はとりあえず締めなくてもいい)
8.運転席の開いている窓から手を入れて、ドアロックノブを手動で
 ロック→アンロック→ロック→アンロック
 と動かす。
9.登録したいキーレスのボタンを1度だけ押す。ここまでの作業が適切に行われていたら
 勝手にドアがロック、アンロックと動く。
10.運転席のドアロックのノブを手動でロックする。
11.登録したいキーレスのボタンを2回押す。
12.これで登録が終わったので追加したキーレスを使いドアを開ける。
13.キーを挿し込みアクセリーに入れて窓を閉じる。
14.キーをoffにしてシリンダーから抜く。
15.バッテリーのマイナス端子をしっかり締めてボンネットを締めて完了。


※バッテリーを外した影響でオーディオとかの設定がリセットされるので注意
【Cetus Mk3】TPUで過酷を極める
2020.03.01
知り合いに頼まれたもの、フォークリフトの燃料フィルタ(;´∀`)
最近、燃料タンク開けて見たら様々なゴミが浮いているとのこと。しかも結構大きなもの(;´Д`)
標準では給油口には何もフィルターがないので、分解したこの際に付けておこうという話。

TPUフィラメントの弾力性を生かしての作成ですが、TPUと言っても素材はいろいろ種類があるようで、中にはことごとく耐性が無いものがあるという。ガソリンに耐性が無いと意味ないので、いろいろテストしました。
エンジンオイル、ブレーキオイル、ガソリンに漬けてしばらく放置しましたが溶けることもべた付くことも変形もありませんでした。私が持っているフィラメントは問題なく使えそうです。



設計してみました。結構激しい構造です。側面は網編み構造なので造形能力が無いプリンターは簡単に崩壊です(笑)
サポート有での印刷をすると、網を補佐しようとしてとんでもないことになるので無しで造形します。
代わりに自分で外周に壁(透明な壁)を付けてサポートがわりにしました。
ちなみにTPUのサポートは手で除去することはできません。ニッパーで1つ1つ切除する必要があるため、TPUでの造形はサポートは無しで考えるべきです。どうしても必要な時は、自分で設計時に付けてあげたほうがコントロールしやすいです。



造形完了。0.1mmのFineで印刷したので12時間のロングランでした。
筒の状態は除去するサポートです。



筒を取り除きました。思った以上にキレイに造形されています。サポート無しでTPUを印刷したとは思えません。糸引きも目立つものは無く、ちょっとポツポツとした出っ張りはありますが、気になるところはニッパーで切ればいいし、使用中に取れてしまう感じもありませんのでこのままでもいいと思います。



底面の網もきれいに造形されてました。すごいな、Cetus



潰してみても構造が壊れる様子は全くなし。厚めのビニールみたい。
下部に網になっていない部分がありますが、これが無いとサポート無しにしても勝手にサポートが付いてしまってうまくいかないのです。ネットで検索してみたのですが、詳しい情報が得られないので困ってます。

まぁ、これが完成したということはTPUで今後困ることはほとんどなさそうです。

- CafeNote -