FDMでABSを印刷するための秘訣
2025.07.13
ABS素材を散々使って最終的にたどり着いた極意。
それは「ガラスベッド」と「シワなしピット」と「金属クリップ」の3つ使わないと
何かしらの失敗をするということ。
マグネットプレート、網プレート、3Dプリンター用フィルム、どれもだめ。
反りなく、安定して印刷するためにガラスプレートに印刷するべし。


ABSの特性で一番厄介なのは反り。
高熱から常温に戻るときに収縮する力をどうやって抑えるかがポイントになります。
まず、柔らかいプレートに印刷するのは絶対にタブー。
フィルムやマグネットプレートは反りに負けて剝がれてくるからです。
金属プレートに印刷できればいいのですが、ノズルが金属のため、
高さ調整を0.1ミリ単位で間違うと、接触した時に傷がつきます。
それにアルミ板や鉄板は余程厚みが無いと使い続けるうち反っていきます。
そうなると完全なフラット面を維持することが困難で印刷面が安定しません。
頻繁に買い替えるということでなければ選択肢から消えますね。

メッシュプレートはとてもいいと思っていた時期がありましたが、
ラフトが必須になることが問題。
ただでさえラフトを剥がすのが困難で造形物と一体化しやすい。
ラフトの剝がれやすさを優先すると反りに負け勝手にはがれる。
大物を印刷するとメッシュに食い込んで剥がれないはずのラフトが負けるという。
初めて使ったときは、よく考えたプレートだと思いましたが、
今思えば、完全な対策ではありませんでしたね。


ガラスはZ軸の設定を間違えない限りはそうそう割れることもなく、
反りも起きにくいため、フラット面を維持しやすい傾向があります。
「シワなしピット」との相性もよく、反りに負けず剥離しません。
後始末においてもガラスは透明なので汚れがすぐわかるのもいいです。


強固に定着した印刷物をプレートから引きはがす方法は、
熱膨張を利用します。
ちょっと時間かかるのは致し方ないですが、
小さい物なら、プレートが常温にもどるくらいにパキっという音がして
手で取れるくらいになります。
大物だと、常温程度では剥がしにくくなる場合がありますが、
その場合は、プレートの裏側から保冷剤で冷却し、しばらく放置すれば、
癒着の強さは弱まってはがれやすくなります。

仕事で扱いたいなら時間がかかるこの方法は難しいかもしれませんが
たまに使うくらいの工作ならこの方法がベストです。




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