3D-PRT21)歪み調整1
2016.06.11
先日のテスト印刷からかなり日が経ってしまいましたね。
その間、仕事が忙しかったというのもあるのですが、
何もしていなかったわけではありません。
なにぶん3Dプリンターは初めてのチャレンジなので、
調整の方法を模索しながら弄り倒していました。
前回のテスト印刷で分かった一番の問題点は
四角形の一角が、正しい90度になっていないという事でした。
差し金で計ると2mmはスキマが出てしまってます。
しかも真っ直ぐではなく、少しカーブを描いているようにも見えますね
よくよく見ると他の角も0.5mmくらいはスキマがでているんじゃないかな?
と思えるくらいに歪みがあります。
1角が極端に歪むというのがクセ者で
ソフト的な物よりもハード的な側面を醸し出しています。
どの部品がどのように狂えば、印刷物がどのように出力されるのかが
全く分からないので1つ1つ試しては印刷を繰り返して
経験値を貯めていくしかありません。
PLAのフィラメント1巻を全てテスト印刷に使ってもいい覚悟で進めていきますよ。
まず、根本的な部分の作りを再確認してみます。
1.ロッド長さ
2.ネジの緩み
3.ベルトの緩み
4.モータードライバーの電圧
5.ガラス+ヒートベッドの傾き
まず1について確認してみました。
結論からすると、6本あるロッドのうち1本が異常でした。
ちょっと力をいれると、ロッドエンドがカーボンロッドから
スコスコ抜けます。
印刷範囲を限定する前に仕様通りの直径180mmで
動作実験しことがあるのですが、
そのときにロッドを痛めたんだと思います。
キッチリと長さが整えばもう外す必要もないので、
結局は瞬間接着剤でくっつけました(^^;
次に2ですが、
キャリッジやエフェクター周りのネジに遊びがあるかもしれないので、
そこら辺を重点に調査。
そこで発覚したのがキャリッジのロッド固定ネジの空回りでした。
キッチリ締めようと増し締めしたのはいいのですが、
空回りして止まりません。変だなと思って一度バラして確認したのですが、
どうやらキャリッジ内に埋め込んだナットまでネジが到達していない模様
結局15mmのネジではダメで、17mm位無いとナットまで噛まないことが発覚。
近場のホームセンターに17mmは売ってなかったので
20mmを切断して使用することにしました。
これでガッチリ締め直すことができました。
3のベルトの緩みですが、
これは3本ともしっかりテンションが掛かっていました。
ベルトを指で弾くと、ビ~~~ンと高周波っぽい反発力があります。
ここは問題ないようですね。逆に強すぎるのかなぁ~?
4のモータードライバーの電圧ですが、
再度計り直してみても1Vから変わってませんでした。
念のため予備のモータードライバーがあるので交換してみましたが改善なしです。
以前に電圧が高すぎて熱暴走、結果脱調したので電圧を下げたことがあるですが、
最終的に直らなかったら少しずつ上げるという事も試さなくてはいけませんね。
最後に5ですが、
今まで気になってながらも見ないふりしていた事があるので、
逃げずに再確認してみました。
それは、ヒートベッドとガラスを支えている金具(ネジ)です。
長さの精度もさることながら、たった3本で円を支えていることです。
図で説明すると以下の通り。
赤マルのところがヒートベッドを固定するネジというか金具が付いています。
今までX、Y、Zの位置で厚紙によるスキマチェックをしてきましたが、
図のL、R、Fの位置でも高さを測ってみます。
すると!
X、Y、Zは高さが統一されているにもかかわらず、
LはXYZとほぼ同じで、Rはかなり低く、Fは少し低いというデータがとれました。
なるほど、印刷物の角が90度にならないのはRの位置です。
なんとなく原因が見えてきましたね。
XYZと中央の高さを整えるだけで水平がとれている物と思い込んでいました。
素人丸出しですね。
ノギスで高さを測ってみたところ、ヒートベッドの傾きを数値で確認できました。
まず水平にするにはいろんな方法があるかと思いますが、
一番いい方法は大きい一枚板を三角フレームと同型に切り、
アルミ3辺にネジ止めして固定。その上にベッドとガラスを置く事だと思いますが、
サーミスタの配線を通す穴を開けなくてはいけなかったり、
ハンダ付けしている部分を踏まない様にカットする必要があったりと
意外に敷居が高いです。
そうなると次なるベストは、3Dプリンタで台座を印刷するのがいいとなるのですが、
今は歪み問題で正確に印刷することが出来ないので、
結局は元の方法と同じで、ネジなどを用いてヒートベッドを支持するのが
簡易且つ正確なのでは無いかと思いました。
ただ、付属してきたネジやナットははノギスで計ると精度にバラツキがあり
高さを均一にすることが出来ないことが分かります。
そこで国産ネジとナットを用いることになるのですが、
今回私はスペーサーを使ってみたいと思います。
とりあえずホームセンターでM3-15mmのがあったので2セット購入
開封してノギスで計ってみると、全て15mmキッカリ!
0.01の世界でも誤差がありません。素晴らしい精度ですね。
これにナットやワッシャーを通して台座代わりにしますよ。
イメージ的にはこんな感じ。
スペーサー - M3ワッシャ - M4ワッシャ - M5ワッシャ ---- M4ワッシャ - M3ワッシャ
M5ワッシャーを入れないと、アルミフレームに対して垂直に固定することが出来ないので
結構重要です。
スペーサーとフレームの間にワッシャが3枚も挟んでいるので厚みの精度が狂うのでは?
と疑問に思いましたが、ノギスで計るとキッチリ精度が出ていたので心配ありませんでした。
それではフレームに付けて見ます。
こんなイメージで付けます。
この上からスペーサーを付けてガッチリ緩まないように固定します。
下はネジなんだから、スペーサーを付けようとしても空回りするんじゃない?
と思う人は当然いるかと思いますが、
ネジ頭のスキマに平たい棒を刺しこんでネジが摩擦で回りにくい環境を作ってあげると
ワッシャーが間に入っているおかげか、案外キツく締めることが出来るのです。
このような方法で6カ所取り付けしますよ。
完成したときの写真がこれです。
これで水平になったのか?と思いきや、
まだ詰めが甘かったのでした。
↓赤○の部分を見てみます。
↓見にくいので拡大してみます。
遊び部分に青く色を付けてみました。
アルミフレームをコーナーパーツに固定する際、精度の甘さを吸収するためだと思いますが、
ある程度遊びがあるので、上の図の青い部分のスキマが
各辺によって微妙に違ってしまう問題があります。
↑の図ではスキマを完全に埋めるためにアルミフレームを上に寄せた状態です。
上寄せと下寄せで最大0.6mm程の差がでます。
このスキマを各辺全て統一させる作業も水平を作るには重要なことでした。
さて、すこし疲れてきました。
ここまでやれば、ベッドの高さは水平になるよね?
そう願いながら、またテスト印刷して角度を調べてみます。
結果
4角のうち3角はほぼ隙間無しになった気がします。
極端に歪んでた1角も2mmから0.5mmまでスキマが小さくなりました。
改善はされたものの完治はしてないですね。まだ他に原因があるようです。
困ったorz
また何か対策を講じなくてはいけませんね。
ま、こんな状況でも印刷はしてみたくなる物です。
定番のルークを印刷してみましたよ。
結構キレイに印刷される物ですね。
直径が小さいのでそれほど影響が無いのでしょうか
左が0.2mm積層、右が0.1mmです。段違いで0.1mmはキレイです。
螺旋階段も0.1mmは角が立っています。
これは0.05mm印刷が可能なマエストロはどれほど綺麗な印刷になるんでしょうか・・
少し欲しくなりました・・(笑)
その間、仕事が忙しかったというのもあるのですが、
何もしていなかったわけではありません。
なにぶん3Dプリンターは初めてのチャレンジなので、
調整の方法を模索しながら弄り倒していました。
前回のテスト印刷で分かった一番の問題点は
四角形の一角が、正しい90度になっていないという事でした。
差し金で計ると2mmはスキマが出てしまってます。
しかも真っ直ぐではなく、少しカーブを描いているようにも見えますね
よくよく見ると他の角も0.5mmくらいはスキマがでているんじゃないかな?
と思えるくらいに歪みがあります。
1角が極端に歪むというのがクセ者で
ソフト的な物よりもハード的な側面を醸し出しています。
どの部品がどのように狂えば、印刷物がどのように出力されるのかが
全く分からないので1つ1つ試しては印刷を繰り返して
経験値を貯めていくしかありません。
PLAのフィラメント1巻を全てテスト印刷に使ってもいい覚悟で進めていきますよ。
まず、根本的な部分の作りを再確認してみます。
1.ロッド長さ
2.ネジの緩み
3.ベルトの緩み
4.モータードライバーの電圧
5.ガラス+ヒートベッドの傾き
まず1について確認してみました。
結論からすると、6本あるロッドのうち1本が異常でした。
ちょっと力をいれると、ロッドエンドがカーボンロッドから
スコスコ抜けます。
印刷範囲を限定する前に仕様通りの直径180mmで
動作実験しことがあるのですが、
そのときにロッドを痛めたんだと思います。
キッチリと長さが整えばもう外す必要もないので、
結局は瞬間接着剤でくっつけました(^^;
次に2ですが、
キャリッジやエフェクター周りのネジに遊びがあるかもしれないので、
そこら辺を重点に調査。
そこで発覚したのがキャリッジのロッド固定ネジの空回りでした。
キッチリ締めようと増し締めしたのはいいのですが、
空回りして止まりません。変だなと思って一度バラして確認したのですが、
どうやらキャリッジ内に埋め込んだナットまでネジが到達していない模様
結局15mmのネジではダメで、17mm位無いとナットまで噛まないことが発覚。
近場のホームセンターに17mmは売ってなかったので
20mmを切断して使用することにしました。
これでガッチリ締め直すことができました。
3のベルトの緩みですが、
これは3本ともしっかりテンションが掛かっていました。
ベルトを指で弾くと、ビ~~~ンと高周波っぽい反発力があります。
ここは問題ないようですね。逆に強すぎるのかなぁ~?
4のモータードライバーの電圧ですが、
再度計り直してみても1Vから変わってませんでした。
念のため予備のモータードライバーがあるので交換してみましたが改善なしです。
以前に電圧が高すぎて熱暴走、結果脱調したので電圧を下げたことがあるですが、
最終的に直らなかったら少しずつ上げるという事も試さなくてはいけませんね。
最後に5ですが、
今まで気になってながらも見ないふりしていた事があるので、
逃げずに再確認してみました。
それは、ヒートベッドとガラスを支えている金具(ネジ)です。
長さの精度もさることながら、たった3本で円を支えていることです。
図で説明すると以下の通り。
赤マルのところがヒートベッドを固定するネジというか金具が付いています。
今までX、Y、Zの位置で厚紙によるスキマチェックをしてきましたが、
図のL、R、Fの位置でも高さを測ってみます。
すると!
X、Y、Zは高さが統一されているにもかかわらず、
LはXYZとほぼ同じで、Rはかなり低く、Fは少し低いというデータがとれました。
なるほど、印刷物の角が90度にならないのはRの位置です。
なんとなく原因が見えてきましたね。
XYZと中央の高さを整えるだけで水平がとれている物と思い込んでいました。
素人丸出しですね。
ノギスで高さを測ってみたところ、ヒートベッドの傾きを数値で確認できました。
まず水平にするにはいろんな方法があるかと思いますが、
一番いい方法は大きい一枚板を三角フレームと同型に切り、
アルミ3辺にネジ止めして固定。その上にベッドとガラスを置く事だと思いますが、
サーミスタの配線を通す穴を開けなくてはいけなかったり、
ハンダ付けしている部分を踏まない様にカットする必要があったりと
意外に敷居が高いです。
そうなると次なるベストは、3Dプリンタで台座を印刷するのがいいとなるのですが、
今は歪み問題で正確に印刷することが出来ないので、
結局は元の方法と同じで、ネジなどを用いてヒートベッドを支持するのが
簡易且つ正確なのでは無いかと思いました。
ただ、付属してきたネジやナットははノギスで計ると精度にバラツキがあり
高さを均一にすることが出来ないことが分かります。
そこで国産ネジとナットを用いることになるのですが、
今回私はスペーサーを使ってみたいと思います。
とりあえずホームセンターでM3-15mmのがあったので2セット購入
開封してノギスで計ってみると、全て15mmキッカリ!
0.01の世界でも誤差がありません。素晴らしい精度ですね。
これにナットやワッシャーを通して台座代わりにしますよ。
イメージ的にはこんな感じ。
スペーサー - M3ワッシャ - M4ワッシャ - M5ワッシャ ---- M4ワッシャ - M3ワッシャ
M5ワッシャーを入れないと、アルミフレームに対して垂直に固定することが出来ないので
結構重要です。
スペーサーとフレームの間にワッシャが3枚も挟んでいるので厚みの精度が狂うのでは?
と疑問に思いましたが、ノギスで計るとキッチリ精度が出ていたので心配ありませんでした。
それではフレームに付けて見ます。
こんなイメージで付けます。
この上からスペーサーを付けてガッチリ緩まないように固定します。
下はネジなんだから、スペーサーを付けようとしても空回りするんじゃない?
と思う人は当然いるかと思いますが、
ネジ頭のスキマに平たい棒を刺しこんでネジが摩擦で回りにくい環境を作ってあげると
ワッシャーが間に入っているおかげか、案外キツく締めることが出来るのです。
このような方法で6カ所取り付けしますよ。
完成したときの写真がこれです。
これで水平になったのか?と思いきや、
まだ詰めが甘かったのでした。
↓赤○の部分を見てみます。
↓見にくいので拡大してみます。
遊び部分に青く色を付けてみました。
アルミフレームをコーナーパーツに固定する際、精度の甘さを吸収するためだと思いますが、
ある程度遊びがあるので、上の図の青い部分のスキマが
各辺によって微妙に違ってしまう問題があります。
↑の図ではスキマを完全に埋めるためにアルミフレームを上に寄せた状態です。
上寄せと下寄せで最大0.6mm程の差がでます。
このスキマを各辺全て統一させる作業も水平を作るには重要なことでした。
さて、すこし疲れてきました。
ここまでやれば、ベッドの高さは水平になるよね?
そう願いながら、またテスト印刷して角度を調べてみます。
結果
4角のうち3角はほぼ隙間無しになった気がします。
極端に歪んでた1角も2mmから0.5mmまでスキマが小さくなりました。
改善はされたものの完治はしてないですね。まだ他に原因があるようです。
困ったorz
また何か対策を講じなくてはいけませんね。
ま、こんな状況でも印刷はしてみたくなる物です。
定番のルークを印刷してみましたよ。
結構キレイに印刷される物ですね。
直径が小さいのでそれほど影響が無いのでしょうか
左が0.2mm積層、右が0.1mmです。段違いで0.1mmはキレイです。
螺旋階段も0.1mmは角が立っています。
これは0.05mm印刷が可能なマエストロはどれほど綺麗な印刷になるんでしょうか・・
少し欲しくなりました・・(笑)
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