BackBeat FIT 3100 レビュー
2020.10.16


ジョギングしているとわかる、イヤホンのスポーツ用と一般用の違い。
昔買った、QCYのQY8
中身はSoundPEATS QY8と同等(OEM?)かコピー品だと思うのですが、
音質は2,000円前後のBluetoothイヤホンにしてはapt-Xにも対応して、まずまずの音質でした。
でも、ジョギングのような過酷環境では耐えらえません。いやウォーキングのような緩い運動でもキビシイ。
そこは値段相応でしかないのです。

スポーツ用は以下のポイントを押さえていることが重要だと考えます。

・運動の妨げになってはいけない
耳から簡単に外れてしまったり、装着に圧迫感があったり、長時間使うと痛みを感じるようでは使えない。落下防止としては耳掛けタイプが最強。そしてなるべく軽くないと耳の負担になる。

・着地の振動が聞こえてはならない
ウォーキングだとあまり気にならないけど、ジョギングになると着地のドンという音が外耳に反響する。体重が重いとその音はより高まり、走る速度が上がると太鼓を連打しているかのようになる。当然音楽は聴きにくくなるし、せっかく音質が良くても台無し。

・ケーブルの接触音が聞こえてはならない。
走っているとケーブルが宙に舞う。体に触れたときにザザザとか、トンという音が糸電話よろしく伝わってくる。速度を上げれば上げるほど音が伝わってくる。とっても耳障り(;´Д`)
今だと左右独立型の無線イヤホンが主流なので、それを選べば自然と解決になりそう。

・雨に耐えられる
防水は必須。汗にも耐えてもらわないといけないので、海水にまで対応するのは厳しいかもしれないが水深1M程度の防水は必要。

・外の音が聞こえなくてはならない。
町中を走っていると車や自転車が往来してるので外の音が聞こえないと危険極まりない。完全密閉型だとクラクションを鳴らされないとわからないなんてことも普通にある。

これらの要件を満たすものとなると、実はあまり存在しません。高い製品でもどれかが欠けていたりします。
現時点でコストパフォーマンスにおいて最強と思われるのはアメリカの音響機器メーカーであるプラントロニクス(Plantronics)から出しているBackbeat FITシリーズ これに限ると思われます。
Amazonを検索すると耳障りの良いうたい文句でいっぱいの中華イヤホンであふれていますが、実際はどの機能も中途半端で使えません。やはり老舗の一流メーカーを選ぶべきです。

現在ではBackbeat FIT3200が登場しているようですがまだまだ高いです。3100でも実用部分では性能はほとんど変わらないので型落ちでも十分です。



Polar Ignaiteの時も思いましたが、アメリカ系の商品はパッケージに独特の特徴がありますね。日本製とも中華とも違う完成度があります。



説明書は簡易ですが、その簡易なものに多言語対応するという。そのおかげで内容は薄いのに物は分厚くなってしまう(;´Д`)



よく見ると多言語対応してるのは注意事項だけで、操作方法はイラストだけでのジェスチャー(;´Д`)
これはなかなか理解が難しい。
詳しくはメーカーのユーザーガイドに載ってました。



本体ケースを開けてみます。実にコンパクト。
メーカーやショップの商材写真を見ると鮮やかなエメラルドグリーンに見えますが、
実際は角度により色相が結構変わります。よほど光を当てなければ商材写真の色にはなりません。走っていても周りからは艶ありの黒くらいにしか見えないでしょう。



この角度だと紫に見えますね。
ケースのイヤホン穴はがキッチリはまるように設計されていて、まったくズレません。
充電器も兼ねているので遊びは許されないのでしょうね。



イヤーフックは柔らかすぎず硬すぎず。耳にかけてみても圧迫感はありません。
耳穴に当てる部分(赤)は薄めにできていて、音をほぼ通す材質なんだと想像します。

実際に使ってみた感想を書いておきます。
便利な点は、ケースから取り出し/収納した時に自動でイヤホンがON/OFFされるところ。電源Offし忘れすることがよくあるのでとても助かります。
ですが、ケースから外してすぐにペアリングしないとパワーオフします(;´Д`)

音は静かな室内でスマホの音量を2/3まで上げてもそれほど漏れることはありません。外で走ってると他人からはほとんど無音に近いと思います。

ジョギングでは着地音の頭に響くドンドンは消えました。
QY8の時は左右をつなげるケーブルがあるので、ケーブルの接触音がしていたのですが、それが無いのでとても快適です。汗ばんだ首に接触してくると気持ち悪いので無線のBBT3100はメンタル的にもかなり楽です。
外の音はかなり鮮明に聞こえてきます。車の近寄る音がはっきりわかりました。
ハイブリッド車のようにエンジン音がしない車でもタイヤの音で気が付くことができるレベルです。
同じコースを走って、今まで気が付かなかった虫の音や、風や木々の騒音、自分の靴の音が聞こえてきます。ちょっと新鮮です。

サウンドは、耳奥に押し込むイヤホンに比べて2cmくらい遠いところから聞こえてくる感じです。音質も程よくQY8ほど低音を利かせていないので聞きやすいです。なんとなくですがボーカルの音域を高めているような気がしますが、私の聴覚のレベルが落ちてるのかもしれません(;´Д`)

装着感は、途中で付けているのかわからなくなるほど軽くて自然です。走っていて「落ちそう!」と思う瞬間は皆無でした。QY8では下りだと着地の振動に耐えられず、すぐに耳穴から外れてしまい、走りながら付け直すといったことが多かったのですが、BBF3100ではそのストレスが無いせいか特にペースを上げたつもりもないのに、いつもよりタイムが上がっていました。

イヤホンから動作状況を音声でアナウンスされますが、私のヒヤリング能力が低いせいか聞き取れません。なんとなくわかったのは、
Power On
Battery High
Phone connected
Power Off
の4つくらいでした。
あとはよくわかりません(;´Д`)
なんとなく、バッテリーが減ったみたいなことを言われたり接続が切れたとか言われたりした気がします。

販売サイトのレビューでよく書かれている問題点に、左耳側でブツブツ音が途切れるといったものがありますが、確かに私のにもたまに起きました。電車の中のように、電波が飛び交う中ではよく起きるようですが、これは原因がなんとなくわかります。でも外で走っているときに起きる現象は原因がよくわかりませんね。横を通過する車が悪さしてるのか、携帯や無線のアンテナが近いとおきるのか、イヤホンのバッテリーが弱まると起きるのか。
でも携帯型のCDプレイヤーで音楽を聴いていた私としては、音飛びなんて普通の出来事だした。それらに比べれば一瞬でリカバリーされるのでストレスはあまり感じません。
MP3やAACなどのデータでしか音楽を聴いたことのない人は故障と思ってしまうのでしょうかね。
(後日追記:音が途切れる症状は、バッテリーが消耗した状態だと良く起きる症状だとわかりました。満充電だと起きません)

バッテリーのもちは十分だと思います。アマチュアの健康ジョギング程度では使い切ることはできません。全く充電されていない状態で14km走ってみましたがそれでも最後まで聞くことができました。公表値は5時間となっていますが厳しい目で4時間と考えたとしてハーフマラソンでも使い切れないですね。
余裕があるということは、バッテリーが劣化しても買い替えることなく長く使えるということなので頻繁に使う人はうれしいと思います。

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最後に性能をリスト化しておきます。

・左右独立ワイヤレス。ケーブルはありません。
・周囲の音が聞こえるAlways Awareイヤーチップ。耳を完全には塞がない設計
・ソフトなイヤーループ採用で激しい動きでも疲れず外れず
・耐汗性と防水性
・ワイヤレス通信距離最大10m
・重量約22 g(0.78 oz)
・Bluetooth®のバージョン 5.0、HFP 1.7、HSP 1.2、A2DP 1.3、AVRCP 1.5
・全高調波歪 3%未満
・スピーカードライバーのサイズ 13.5mm
・周波数特性 20~20,000Hz感度94dBSPL(最大ボリューム)
・マイク DSP搭載MEMSマイク
・再生時間 最大約5時間(イヤホンのみ使用の場合)、充電ケースの使用でさらに約10時間の音楽再生が可能
・連続通話時間 最大約5時間
・IP等級 IP57の耐汗性と防水性
・DeepSleep 最大約6か月
・連続待受時間 最大約14日間(充電ケースがフル充電されている場合)
・高速充電 15分間の充電で最大約1時間の音楽再生
・バッテリー容量(イヤホン)90mAh
・バッテリー容量(充電ケース)740mAh

最後に。
最近、外の音が聞こえることが重要ということが浸透し、骨伝導の製品がたくさん出てきていますが、仕組み上、音質は犠牲になるので中途半端に開発研究している安物中華は買ってはダメだと思います。
骨伝導にこだわりたい場合はAftershokzのAeropexはスポーツ用として開発されているだけあっていいのではないでしょうか。アメリカの骨伝導専門メーカーなだけあって、プロのランナーも使っているようです。
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