サンポールで錆取り。そして錆防止にハンダ線でメッキ。
2022.04.19


知人から捨てる予定という工具があると言う。
捨てる予定ならちょっと試してみたいことがある
と言って貰い受けました。
で、試してみたこととは、サンポールで錆取りです。
なかなか愛用の工具では試せないですからね(;´Д`)
貰った工具は海岸の風にさらされかなり錆が進んでいます。
実験にはもってこいです。



まずは原液を工具が完全に浸るくらいまで入れて30分放置。
今回はタッパに工具を横に敷き詰めてみましたが、
工具はペン立てのように縦に挿す形の方がムラなく処理できると思います。
横に置く場合、途中で裏返す処理が必要なので注意。
今回は10分ごとに金ブラシで擦り、30分ごとに裏返して
1時間漬けてみました。

サンポールから引き上げた直後は表面が塩酸に侵されています。
軽く水で洗い流し、その後重曹液につけて中和します。
そうしないと一気に錆びますからね。



その後、グラインダーにナイロンディスクを付け磨いてみると
あのサビサビだったラジオペンチが・・・・・



こんなにキレイに(*'▽')



使ったナイロンディスクはこれね。
ダイソーの220円商品だけど、結構使える。
ガンガン減っていくけども厚みが結構あるので、
工具を全部磨く分は十分に耐えました。

このままだと被膜が無いので、短期間で錆が出てきます。
それを防ぐために油を塗るのもいいのですが、
どうせならってことで6V電圧でメッキをしてみます。



液はサンポール1:水4の割合。



今回はサンポール60ml、水240ml入れ合計300mlにしました。 
この割合はお約束らしく、計量は雑にやらない方がいいようです。



マイナス側にメッキしたいもの。 プラス側にメッキの材料。
今回は高級な精密基板用のハンダ(スズ60%、鉛40%)を材料にしてみました。
(あまりにも減りが速いので、後からダイソーハンダに変えましたが(;´Д`)



出来上がったニッパーを水で丁寧に洗い流し、
不純物を取り除き、ピカールで磨いてみると
素材が渋い光を放つようになりました。まるでチタン(*'▽')
カッコイイ。



サンポールに漬けた他の工具もフェルトディスクで磨き上げ。
錆が進行している場合、少し梨地っぽい表面になりますが、
使い込んだ感じがあっていい。味がある。



ペンチにメッキを掛けてみた。
廃品扱いだった物が手間を加えるだけで高級工具に見える不思議(;´Д`)
時代的には30年~40年前の物だと思うので元々は安物でないと思う。
下手に100均の粗悪品買うよりバブル時代の物の方が質が高いよ、きっと。
メッキを掛けたことでまた数十年は使えるかな・・・
もちろんこの後、油も塗っておきます。



ペンチ、ハサミ系完成。
グリップをもっと奇麗にしたかったけど
いまある洗剤ではこれが限界・・・(;´Д`)



ノミもあるのですが、これはちょっと工夫が必要。
木を酸に漬けてしまうと変質してしまうので
全体をサンポールに漬けて錆落としは難しい。
とりあえず、紙やすりディスクとナイロンディスクだけで錆取り。
その後、金具の先だけメッキを掛け。



↑ノミをメッキ中。新鮮な溶液を使えばこのくらいの泡がでます。
鮮度はすぐ落ちるので、出来るならまとめて数本やった方が効率的かも。



メッキを掛けたらピカールとフェルトディスクで軽く磨きます。
そのあと塗装に移るのですが、念のためミッチャクロン。



恐らく新品の時は刃先以外は黒だったと思うので、同じように再現。



そして刃の部分だけ研磨という段取りで行きたいと思います。
握りの部分もかなり汚かったので、紙やすり100番で削り落としてやりました。
本当はオイルステインを塗ってあげればよかったのですけど、
これだけにオイルステインを買うのもなんなので、
次回に木材を扱ったときに処理することにします。
ノミの処理は結構手間でした(;´Д`)



ハンマーもありますが、これは錆が凄い(;´Д`)



ここまでくるとサンポールに漬けるわけにはいかないので、
グラインダーで鱗を落としてから処置します。



錆を取った後は、クレーターが多すぎて、
綺麗なフラット面にするにはかなり削る必要があるため、
ハンマーとして重さを失うのはいかがなものかと思い
このくらいに留め、錆び転換剤を塗布後、黒で塗装しておきました。
暇があれば、金属パテを塗って削って磨いてから塗装したかもしれないけど、
そろそろ修復に飽きがきたのでこれで完成(;´Д`)




今回、救えなかったのが↑の3つ。
腐食がすごすぎて、直すのを断念。
手間もかかるし、直しても使わないだろうということで
廃棄いたしました(;´Д`)

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