3Dマウスの自作⑨ 動作不良の修正
2022.09.11


前回の記事はこちら
https://randol-news.net/art/00547.html

レバーの上方向と右方向の動作があやしい。
動画を見るとマウスカーソルのアイコンが変わるので、
検知は出来ていると思う。
反応が鈍いというか、倒している傾き量が適切に伝わっていないかんじ。



ジョイスティックの故障も考えられるけど、
まずは直接軸を倒してみて確認してみる。
どの角度でも問題なく動くことから、
可動域不足ということがわかります。



横から見るとジョイスティックの軸が中心から右にズレていることがわかります。
これじゃ、右の可動域が狭くなるはずです。
恐らくは使用しているジョイスティックが設計時の物と違い、
仕様変更されたのだと思われます。
穴位置も微妙に違いますしね。

解決方法は、

・底面の外装を修正し印刷しなおす。
・Arduinoの台座を修正し印刷しなおす。
・あとはジョイスティックを設計時のものと完全一致するものに変える。
・ジョイスティックの穴位置を変更する方法

この4つが思い浮かびます。



3Dプリンターで印刷しなおすのは正直面倒です。
楽なのは4つ目ですね。
基板を横にスライドできるように穴を拡張してみました。



基板位置をmm単位で調整しネジで固定。



左右バランスを均等にすることができました。
ついでに前後のバランスも調整しています。



どの角度でも動くようになりましたが、
逆にどの角度でも動作範囲が狭くなっている気がします。
これを解消するには、当たる部分をカット(造形しなおし)するしかなさそうです。

まぁ、回転や移動の速度はマウスを動かすだけで変化させることができるので、
問題ないと言えばその通りですが、もう少し移動量が多くてもいいですよね。



ちょっとソースを覗いてみましょう。
main.cppの908行目以降に、
ジョイスティックの処理をしている部分があります。
注目は929行目と937行目
この行でマウスカーソルを動かす処理をしています。
なんと私は大きな思い違いに気が付きました。
今までさんざん画面でマウスカーソルが動いているところを目撃していて
なぜ気が付かなかったんだろうかと・・

このOrbionはマウスカーソルを動かすことで
回転やパン動作をエミュレートしてるのです。
つまり、Orbionの操作とマウス操作は連動しており、
マウス操作とOrbionの操作はバッティングします。
正直致命的かもしれません(;´Д`)
3DConnectionのSpaceMouseは独立しているので、
左手と右手で別の作業を同時に行っても不都合は起きません。
Orbionも同じような動作なのだと思っていました・・
ショックです(;´Д`)

とりあえず改造して最初の目的である移動量を大きく変えてみます。



X方向、Y方向に対して移動量を3倍にする記述を足してみましょう。
これでかなり改善されました。
しかし、マウスカーソルと連動しているので、
カーソルが画面の境界にぶちあたったりすると、
それ以上進めないために回転処理が止まります。
3倍にしたので激突する機会も増えました(;´Д`)
なんか回転処理が動いたり止まったり不安定だなと思っていたのですが
原因がこんなことだったとはショックです。

ソースをもっと解析していい解決方法がないか研究する必要がありますね。
むぅ・・・

次の3Dマウスの記事はこちら
https://randol-news.net/art/00569.html
goot PX-280がようやく届いた。
2022.09.02


長かった(;´Д`)
今使っているハンダごての軸がグラグラしだして、
いつポッキリいくか分からない状態。
プラスチックパーツの劣化なのか、コテ内の金具が折れかけているのか、
構造的な強度が怪しくなってますね。
完全に壊れる前に新しいのをと思って注文したんだけど、
3カ月かかりましたね。
いくら超人気かつ半導体不足でも掛かりすぎです(;´Д`)



温度の自動調節機能があるのは
各社たくさん登場してましたが、
作業時の温度降下を防いだり、
リカバリーが早かったりするのは
高級モデルしかありませんでした。
それが安い半田ごての価格帯で実現。
しかも日本製とくれば人気が出るのも当然というもの。



今まで使っていたのは、同じgootのニクロム線式40W
中学生の頃に買ったもの。
安心の日本製だったからなのか、よく頑張ってくれたよ。



今回のはセラミックヒーターの80W
明らかに格が違いますわ。
これは何年使えるのか・・
今後の使用回数を考えたら死ぬまで壊れない気がする(;´Д`)



使い方説明は厚紙の裏側にありました。
温度設定の仕方と、スリープの設定が書かれています。
あとは別売の先端紹介。
簡易だけど、それ以外説明することもないよね(;´Д`)



実際の温度上昇を見てみます。
一般的に350度が使いやすい温度とされていますが、
0度から350度まで一気ですわ(;´Д`)
すばらすぃ。



別売りのキャップは回転固定なので、外れる心配はありません。
私は作業が終わったらすぐ片づけたいので、
熱さが残っていても仕舞えるのは助かります。

このハンダごて、とても使いやすいけど、
先端の種類がもう少し欲しいかな。
先細と、平型があれば使い勝手よさそう。
平型はピン2つを同時に温めるのに最高なのよ(*'▽')
近いうちに買い足そう。
3Dプリンター オーバーホール FDM編
2022.08.26
最近、Cetus Mk3の印刷精度が落ちてきました。
特に円の形が歪んできてる気がします(;´Д`)
使わない間、カバーなどかけずに放置してましたからね、
リニアスライダーにゴミが詰まっている可能性があります。
あと所々ネジが緩んできています。振動で緩むんですねぇ・・(;´Д`)
ネジが緩んでいるせいかレールを固定しているパーツが
水平からズレてきている気がします。

しばらくFDMで印刷する予定は無いのでオーバーホールしてしまおうかなと。



まずは最もホコリの影響を受けると思われるX軸のリニアスライダー
これを分解するのは結構面倒な仕事です(;´Д`)



外してみると予想通り埃を取り込んでいましたね。
あとグリス切れも起こしているようにみえます。
あんまりいい状況ではないな(;´Д`)
と思いつつ、他に目についた部分が!
ボール1個分以上スキマあいてね?
これが正しいとは思えんが本当のところはどうなんだろう。



以前にスライダーの修復に使ったボール。
写真では中華ベアリングと書いてますが、ミスミから買った日本製。
x軸とy軸はz軸に比べ劣化が早いはずなので
ボールを交換できるならやりたいなと思って引っ張り出してみました。



片側21個、両側で42個入っていました。



左が今回のリニアスライダーのボール。右が日本製の在庫ボール。



misumiで注文したボールは3/32インチ。つまり2.381mmです。
このリニアスライダーに使われているボールは2.48mm。
恐らくは2.5mmボールでしょう。
やっぱりサイズが微妙にちがいますね
使えんか・・・(;´Д`)
0.02mm摩耗してるんだなぁ・・ 交換したかったわ。



ジムニーで使ったグリスが余っていたので、
ビン詰めにしてたやつを使います。
スミプレックスなので万能です。



ボールをパーツクリーナーで洗浄。
元あったところに丁寧に詰めてグリスアップしました。





これはZ軸のリニアスライダー。
なんか仕様が違う(;´Д`)
グリスべったり。レールもない。
これは見たことないタイプだわ。



ボールを外してみると、ゴム製のレールが奥に隠れていました。
これ、ゴムが切れたら詰むんじゃん?
耐久性に疑問がある気がするけどあまり動かないZ軸だから平気ってか?
いやいや経年劣化で切れるっしょ(;´Д`)
たしかCETUS Mk2からMk3になった時に
レールのメーカーが変わっているという話がありました。
これのことか。
これ、次のオーバーホールの時に丸ごと交換ということにしよう。



ボールの数は全部で58個(29+29)、X軸より大きいスライダーです。




玉の大きさは2.49、おそらく2.5mmですね。0.01mmは摩耗でしょう。



ゴムレールに玉を入れながら奥に詰めていくのは困難を極めたけど
千切れることなく全部を入れることができました。
グリスを多めに塗布し玉が脱落しないように。



Z軸用は油断したらスライダーが吹っ飛んでいく可能性があるので
両端を輪ゴムで止めておきましょう。
取り付けるまでの保険です。



これはY軸のスライダー。
恐らくX軸と同じものと思われ。
これもボール1個分のスキマがあるなぁ・・・
このメーカーはこれがデフォルトなのね。

グリスがあまり切れてない様子。
しかも埃を巻き込んだ様子はなし。
不調の原因はX軸だったかな?(;´Д`)
こちらもきれいにクリーニングしてグリスアップしておきました。



ケース内を確認。
基板が埃まみれになっているかと思いきや意外とキレイ。
FANが無いので逆に埃が浸入しないのかもしれない。
一応ブロアで吹いて掃除。



クリーニングが終わったリニアスライダーを取り付けます。
その際プレートにキッチリ水平がでるようにネジ止め。
アルミ棒をつかってスキマを確認しつつ、慎重にネジを締めていきます。



ヘッドも分解。
エクストルーダー一体型なのでパズルのようにちょっと複雑。
サーミスタとヒーターは壊れやすいのでコネクタを外してしまいましょう。



同じタイプのコネクタが使われているので、
接続場所を間違えないようにメモ写真。



ヒーターコアの中は逆流したフィラメントが付着していました。
これが盛り上がってきて印刷が止まったことがあります。
奇麗に掃除してあげましょう。
そしてよく見るとヒーターコアに見慣れない金属板が張り付いていますね。
これは何だろう?ノズルスロートの固定用かな?
それとも熱伝導率が低いプレートを挟んで熱が逃げないようにしてるとか?
謎だわ(;´Д`)



奇麗に掃除完了。



全部組み立ててオーバーホール完了。

今回のオーバーホールで感じたこと。
PLAパーツで作られたであろう部品がちょっと劣化気味かな。
昔ABSで作った予備パーツに交換すべきか検討中。
あと、ベルトとスライダーを連結するパーツがPLAだと強度不足がぬぐえない。
海外で金属パーツに換装するひとでてきてるけど、納得(;´Д`)



PLUで印鑑キャップを作ってみた。
円がきれいになってがたつきが消えた(*'▽')
やっぱりリニアレールだったんだな・・・



テストが終わった後は、埃が付かないようにビニール袋を装着して完了っと。
専用のケースがほしいですなぁ・・・・(;´Д`)

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