【Cetus Mk3】TPUで過酷を極める
2020.03.01
知り合いに頼まれたもの、フォークリフトの燃料フィルタ(;´∀`)
最近、燃料タンク開けて見たら様々なゴミが浮いているとのこと。しかも結構大きなもの(;´Д`)
標準では給油口には何もフィルターがないので、分解したこの際に付けておこうという話。

TPUフィラメントの弾力性を生かしての作成ですが、TPUと言っても素材はいろいろ種類があるようで、中にはことごとく耐性が無いものがあるという。ガソリンに耐性が無いと意味ないので、いろいろテストしました。
エンジンオイル、ブレーキオイル、ガソリンに漬けてしばらく放置しましたが溶けることもべた付くことも変形もありませんでした。私が持っているフィラメントは問題なく使えそうです。



設計してみました。結構激しい構造です。側面は網編み構造なので造形能力が無いプリンターは簡単に崩壊です(笑)
サポート有での印刷をすると、網を補佐しようとしてとんでもないことになるので無しで造形します。
代わりに自分で外周に壁(透明な壁)を付けてサポートがわりにしました。
ちなみにTPUのサポートは手で除去することはできません。ニッパーで1つ1つ切除する必要があるため、TPUでの造形はサポートは無しで考えるべきです。どうしても必要な時は、自分で設計時に付けてあげたほうがコントロールしやすいです。



造形完了。0.1mmのFineで印刷したので12時間のロングランでした。
筒の状態は除去するサポートです。



筒を取り除きました。思った以上にキレイに造形されています。サポート無しでTPUを印刷したとは思えません。糸引きも目立つものは無く、ちょっとポツポツとした出っ張りはありますが、気になるところはニッパーで切ればいいし、使用中に取れてしまう感じもありませんのでこのままでもいいと思います。



底面の網もきれいに造形されてました。すごいな、Cetus



潰してみても構造が壊れる様子は全くなし。厚めのビニールみたい。
下部に網になっていない部分がありますが、これが無いとサポート無しにしても勝手にサポートが付いてしまってうまくいかないのです。ネットで検索してみたのですが、詳しい情報が得られないので困ってます。

まぁ、これが完成したということはTPUで今後困ることはほとんどなさそうです。
【Cetus Mk3】ラフト無し調整と印刷テスト
2020.02.20
ラフトを剥がすと底面が荒れた面ができてしまうので、物によっては困ることがあります。
どんな状況にも対応できるようにラフト無しの設定を導き出します。
結果を言うと、印刷時のNozzle offsetを0.5にするのがベストでした。
-0.5にするとベッドとの距離が離れてしまいましたので逆効果。方向はしっかり覚えておく必要があります。

ラフトを除いた時の高さがわかったので、定番のモアイを印刷してみたいと思います。





素材PLA
ノズル穴0.4mm
積層0.1mm
温度、速度はUP STUDIOのデフォルト値
クオリティはFINE
ラフト無、サポート無
第一層も問題なく定着しました。
なぜか一層目にブリムが付いてますが、スライサーが勝手に付けてくれたものです。
造形に合わせて自動設定されるのかな?



ついでに胸像も印刷してみました。
設定は上記に加えかなり複雑な造形なのでサポートだけ有にしました。
アゴのようなところは千切って外れないのでサポートの取り外しが大変でした。



最後に、TPUフィラメントもテストしました。
このフィラメントはビニールやゴムのような性質で、ボーデン型ではPTFEチューブ内で変形してしまうのでまともな印刷が難しいです。ダイレクトエクストルーダならではのフィラメントです。設定はABSをベースに自分で修正したものを使用しました。

素材TPU
ノズル穴0.4mm
積層0.1mm
ノズル温度210、ベッド温度60
速度はUP STUDIOのABSデフォルト値
クオリティはFINE
ラフト無、サポート無
Cetusでは難なく印刷できました。積層痕は見えますが手で触っても乱れは感じません。デルタ型のKosselでは不可能なフィラメントなので可能性が一気に膨らみます。底面は透明感があってツヤツヤ。光が反射してピントが合いませんでした(;'∀')
印刷するときは何も考えずに印刷しましたが、弾力性を十分に生かした使い方をするならインフィルは100%のほうがいいと感じました。
TPUは素材のベースになってるものが2種類あるようです。耐油性とか耐水性、対候性などが大きく変わるようなので、
実用を考えればエンジンオイルとかに漬けたりしてテストしてみる必要がありそうです。
【Cetus Mk3】サンプルプリント
2020.02.14
デフォルト設定でどこまでの印刷ができるかテストしてみました。



それぞれの印刷の前にオートレベリングによる調整を行っています。


定番のピラミッド。
糸引きが強いとされるPETGでのテストです。
積層0.1mm
ノズル穴径0.4mm
ノズル温度230
ベッド温度60
モードはFine
その他パラメータはABSのデフォルト値を踏襲しています。
プレートの上にには3Mの3Dプリンター用シートを張り付けていました。
PETGはPLAやABSに比べると難易度が高い素材ですが余裕のクリアですね。
このデータは柱の内側が荒れ気味になりますが、このプリンターでは問題ないようです。



次は精度がないと成功しない造形。ベアリングです。
中の歯車も全て一発造形で行います。少しでも突起や糸引きがあればうまく機能しません。
素材ABS
ノズル穴0.4mm
積層0.1mm
ノズル温度240
ベッド温度90
印刷モードはNormal
ラフト有、サポート無
プレートはメッシュ穴を利用して印刷しました。この穴を利用してラフトを作るとABSの反りはほぼ起きないと言っていいと思います。




出来上がったものをチェック。片手で回してまるのでぎこちないですが滑らかに回っています。



次にパズルキューブ。パズルのデータは0.2mmクリアランスのSTLを使って印刷しました。
0.2mmクリアランスのデータはかなり高精度のプリンターじゃないとパズルが完成しません。
ノズル穴0.4mm
素材PLA
積層0.2mm
印刷モードはNormal。
ラフト有、サポート有
温度、速度はUPStudioのデフォルト



キレイに印刷はされましたがこのデータは0.2mmの積層で印刷するのはやめておいた方がいいでしょう(;´∀`)
0.1mm積層で印刷するべきです。パズルは完成しましたがデータの公開先でも書いてあるように、角をペーパーで落とさないと組み上げは大変です。積層の段がかみ合って外すことも困難になります。間違って填めたときはプラハンマーで叩いて外しました(;´Д`)



3年も前の古いPLAが残っていたので、処分もかねて定番のルークも印刷してみました。
除湿剤の効果も切れて劣化の限りを尽くしたフィラメントでしたが、階段もきれいに造形できてます。フィラメントって消費期限長いかも・・(;´∀`)

Cetus MK3はUP Studioを使うのが基本となっていますが、このソフトをデフォルトで使うためにはラフトは必須と考えた方がよさそうです。
ラフトを外して印刷しようとすると高さが狂って正常に印刷されません。別の言い方をするとフィラメントがプレートに定着しません。もしラフトを外したいのなら自分で設定をいじる必要がありそうです。どれくらいヘッド位置を調整すればいいのかはこれからの課題です。

PLAはラフト無しでも良いと思いますが、ABSやPETGはラフトが無いと反りが起きます。
ABSについては3Mのシートは使わず、ラフトとプレートのメッシュ穴を利用した造形が一番良いと感じました。この2つの組み合わせで反りや歪みは全く起きません。ノギスでも図りましたが0.0x mmレベルの精度です。
メッシュプレートはものすごい食いつきで安心感があるのですが、ラフトが残ったままとれないということがままあります。その場合はプレートの背面からヒートガンで炙ってあげればラジオペンチやヘラで簡単に剥がすことができます。
PETGは3Mシートでもラフトさえあれば反りが無いことを確認しています。
3Mシートは程よい食いつきでプレートからの剥がしやすさも秀逸ですが
印刷物からラフトを外すのが大変です。特にABSやPETGは弾力性が高いために、パキっと折れないので、ニッパーで切断しながら剥がすなんてことにもなりかねません。このラフト剥がし問題もこれからの課題です。

あとCetus MK3は驚くほど糸引きが無い。これはフィラメントの吐出コントロールが秀逸なのもあるけどノズルの造形がしっかりしているのだと思います。



この動画を見ると安いノズル(E3Dの偽物)は穴形状もいびつ、角度も違えば、穴先にフィレットができてるなど本物とは程遠いことがよくわかります。
CETUSのノズルは真鍮の安いもので一本1300円(3本セットだと3000円)。送料も入れると2500円もする高級品です。1本100円の安物と同じとは考えられません。
Koselでは糸引きに悩まされていたので、高級ノズルを付けてテストしてみたいです。

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