3D-PRT7)ホットエンドを作る
2016.03.31
今日はホットエンドのパーツを作ります。
今日の工程で使うネジは

<ホットエンド固定具>
M3x15mm 2本
M3六角ナット 2個


<ホットエンドオートレベリング用>
M3x20mm 1本


エフェクター>
M2x16mm 2本
M2六角ナット 2個
M4x8mm 1本(最初から装着済みかもしれない)
M4ワッシャー 1枚(最初から装着済みかもしれない)


<カーボンロッド固定用>
M3六角ナット 4個


<ファン固定用>
M3x12mm 2本


です。

このキット、ホットエンドはすでにある程度できあがった状態で同梱されてきてました。
これが日本のキットであればそのまま使うのですが、
中国キットですからねぇ、やっぱり疑ってみましょうかね。



これを全部ばらしてみましょうか。
まずワンタッチ継ぎ手をクルクル回して外してみます。



簡単に外れました。



やはりです。漏れ対策が甘いです。
申し訳程度に何か塗ってますがあまり役立ってないでしょうね。



ではヒートブロックを外してみます。



ヒートブロックはイモネジで締められているのでレンチで緩めますよ。
結構な力でしまっているので、ヒーターを通す予定の穴にドライバを突っ込んで
ひねって外します。



こちらは全く対策がされていません。
ヒートブロックに近い方は特に漏れ対策をするべきなのに・・・

ノズルをヒートブロックから外してみます。



こちらもイモネジで固定されているのでレンチで緩めますよ。



そして、かなりきつく締まっているのでラチェットを使って外します。



こっちも何も対策されてません。確認してみて大正解でしたね。

では俗に言う漏れ対策というのはどういう物なのかというと
シール剤をネジ山に付けるというものです。

私はPTFEテープを巻くことにしました。
PTFEとは四フッ化エチレン樹脂の、主にシーリングに使うテープです。
熱に強く絶縁性もあり、酸やアルカリにも強く、
管の漏れ対策によく使われます。



普通に買うと結構いい値段するのですが、
アストロプロダクツで買うと激安です。
私は近所のリアル店舗で購入しました。
安いからといって粗悪なわけでも無く、ちょっと量が少ないだけで
仕様では260度まで耐えられます。
3Dプリンターの部品ではそれほど量は使わないので
少ない量で売ってくれるアストロさんには感謝です。

このテープを巻き巻きします。



かなり薄いテープですが、ちょっと厚いかな?と思うくらい巻いて下さい。



写真では結構巻いている様に見えますね。実際は3周くらい巻いてます。



一見すると厚すぎてネジ山に押しつぶされて
外に出てくるんじゃ無い?と思いますが、
意外とそんなことはありません。
柔軟性と低摩擦のお陰で
この程度なら綺麗にネジ山に収まってしまうのですよ。
びっくりするくらい滑らかに飲み込んでいきます。
キッチリ付いたらイモネジで固定するのを忘れずに。

次はヒートシンクに巻き巻き。



巻きたい部分より大きくなっても大丈夫、
爪で簡単にちぎれます。



綺麗に巻けました。早速ヒートブロックと連結させましょう。
ココの部分はイモネジでしっかり固定しますよ。

次はワンタッチ継ぎ手の装着です。
同じように巻巻きしてヒートシンクと接続します。



これでホットエンドは完成。
いくらシーリングしても緩んでいたら意味が無いので、
最後に締め確認はしてください。



次はホットエンドの固定具に取りかかりたい所ですが、
いったん前準備をしましょう。



写真に赤いラインを引いていますが、ここのクリアランスが甘いのです。
バリがあったり、スキマがきつかったり。
その為、後々重要となる機構が機能しなくなっています。
そこで、目視でみて絶対干渉しない位にヤスリを掛けます。
固いので少し大変かもしれませんが、削る量はコンマ何ミリなのでで出来ないことは無いはずです。
先にホットエンドを付けてしまうとやりにくくなるので今のうちです。



ヤスリがけが終わったら、しっかり削粉を取り除き、ホットエンドを穴の中に通します。
ちょっとキツイかもしれませんが頑張りましょう。

 

どうしても入らない場合はバリが有るのかもしれないので、中をみて削り取ってみましょう。



固定具を側面に付けてM3六角ナットをあてがい、
裏側からM3x15mmネジで留めます。



ホットエンドは高熱になるパーツなので、なにかあると大変です。
妥協無くしっかりと留めます。
自分的にはワッシャーを入れたいところですが、構造的に許してくれないので
泣く泣く断念。



これでホットエンドの固定具が完成。

次はエフェクターの作成。
まずはオートレベリング用のマイクロスイッチを側面に取り付けます。
このスイッチはエンドストップに付けたスイッチより一回り大きいです。



使うネジはM2x16mmのネジ2本とM2ナット。
説明書にはありませんが私はワッシャーも入れました。



スイッチの向きに注意して下さい。逆向きに付けると役割を果たしません。

次にホットエンドをエフェクターに付けます。



↑写真の位置に穴がありますが、ここにM3x20mmネジを取り付けます。
このネジは奥まで貫通させて先ほど付けたスイッチに触れる所まで締めます。
付属のネジは少し頭がデカイのでヒートシンクに干渉します。
だからといって別になにか起きるわけでは無いのですが、
ネジが斜めに歪んで入っていく気がするので
別の頭の小さいネジに変えるといいと思います。
私はユニクロネジのM3x20mmに変えました。
写真ではシルバーのネジとワッシャーが直ぐ近くに付いていますが、
これは最初から組み終わっていました。
ホットエンドがこれ以上、下に落ちないようにするためのストッパーの役割を果たします。
ちなみに元は黒の鉄ネジでしたが、写真ではシルバーのステンに変えてあります。



結構入れにくいので、少し手で回した方がいいかもしれません。
どれくらい深く入れるかですが、
ここは、後から調整できますので、あまり真剣に考えなくてもいいのですが、
ノズルをつま先で触れた程度で、直ぐさまカチっとスイッチが反応するくらい
ギリギリまで奥の方がいいとのではないかと思います。

それよりも、スイッチを押したあとに、ホットエンドが正常な位置に戻ってますでしょうか?
この機構はバネ等が付いていないので、
元の位置に戻るにはスイッチの抵抗力と重力を利用してしか戻れません。
そこで先ほどおこなったヤスリがけが生きてくるわけですが、
まだきつい様なら一度ばらしてもう一度ヤスリがけするのをお薦めします。

次はファンをエフェクターに取り付けます。
ファンは4cmx4cmのごく一般的なタイプ。
PCを自作する人なら見慣れたパーツです。



これを側面に取り付けて



M3x12mmのネジ2本で取り付けるわけです。
ファンの方向はシールが貼っている面をホットエンド側に向けて
風邪が当たるように取り付けてください。(重要)




もちろん12mmでもしっかり止まるのですが、すこし噛みが甘いです。
私は余っている15mmを使いました。
(実は15mmは奥に干渉します。そのためファンの固定具に負担が掛かってしまうのでお薦めしません)

さて今日の最後は、カーボンロッドを接続するためのネジを受けるナットの入れ込みです。



この穴にはM3の6角ナットがキッチリはまるように出来ています。
いや、逆にキツイくらいで、ラジオペンチでガッチリ挟んでやらないと入っていきません。
4カ所付けるところがあります。私の部品は全部がきつくて結構大変でした。
歪み無くはめ込んだところで今日は終了。

次回はカーボンロッドをエフェクターに取り付けるのと、
タイミングベルトをキャリッジに取り付けますよ。

ではまた。

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