3D-PRN32) サーミスタがまた逝く。
2016.12.26
ヒートブロックのTemp表示がおかしい。
印刷中に30度近く急降下したり、設定温度まで急上昇したり、
温度がノコギリのように変化する。
なにぶん北海道の真冬なわけで、部屋をキッチリ暖めていても
隙間風は冷たい。そのせいかもしれないのでとりあえず様子を見ていました。
ただ、ABSで印刷していると出来上がるものの、まったく強度がたりず、
ちょっと指で抓んだだけで積層の部分から割れてしまうようになりました。
そしてあくる日、Min Tempエラーが印刷中頻繁に出るようになり
最近、温度表示は0を示し完全に壊れてしまったのです。

どうも原因は写真のこの場所にありそうです。


デルタ型はアームを高速にぶん回すので、
そのせいで断線してしまっているのではないか?と予想。
ヒーターのセラミック部分のつなぎ目も負荷が大きいように思います。

それでは2度目のサーミスタ交換を実施します。
壊れやすいことを事前に感じていた私は、こういうことを予期し
5本ストックしています( ´艸`)
準備は万端です。

ヒートブロック周りをバラすのは結構面倒。
いい機会なのでほかの部分も交換しますよ。

サーミスタの交換 =======================
いままでと同じ100KΩのもの
頻繁に壊れるので、ギボシか、コネクタ化しようかと思ったが、
思いのほか太くなったので、この案は次回に持ち越し。


ノズルの交換 =========================
ノズルはコレ↓

ステンレスノズル 0.3mm 0.4mm 0.5mm


届いたのがコレ↓


今回はステンレスの0.3mmに挑戦です。
なぜステンレスにしたかというと、金属類のなかでも熱伝導率が低いからです。
普通は真鍮などの伝導率が高い物を使うかと思いますが、
一度温まってしまえば、伝導率はあまり関係ないのではないかと思い、
逆に冷めにくいので印刷時の温度のフラつきも軽減できるんじゃないかと。
フィラメントの溶融については、
直感ですが、ステンレスでも十分満たすんじゃないかな?と
やってみないとわからないので実験あるのみ。
0.3mmにした理由は、もう少し解像度を上げたい気持ちの表れです(*´ω`*)




スパイラルチューブを止めて、メッシュチューブへ ========
スパイラルチューブは配線を束ねるのには大変便利なのですが、意外と硬いのですよ。
スキマなくきっちり巻いてしまうと、あまりシナリがなく、棒のように固くなってしまいます。
それでは一番上の写真↑の部分に負荷がかかるので、多少柔らかいメッシュチューブへ変更しました。
直径4mmチューブと10mmチューブを試しましたが、
ヒーター、サーミスタ、ファンのケーブルを収めるには10mmがピッタリでした。


メッシュチューブの終端を熱収縮チューブで止める ========


メッシュスリーブ 直径10mm長さ 5m


メッシュチューブは、端をしっかり萎めないと、どんどん開いて網目が崩壊していくので、
ビニールテープで端を縛りつつビニールテープを熱収縮チューブで覆って見た目を良くします。
私は黒無地のを使いましたが、いろいろなカラーパターンがあるようですね。


ケーブルを針金で吊るす ======================
ピントを失敗してますが、一応写真・・

エフェクターの穴にM3ネジとナットで固定。
吊るすようにしたことで、ケーブルがぐらつくのを防ぎます。
実際にエフェクターを動かしてみても
他に干渉もなく、ケーブルのブラブラもよく抑えてます。
少しは耐久性があがるかな?

ベルトのたるみを補正するために ===================


タイミングベルト テンショナースプリング

↑コレを買ってみました。

ベルトにはあまりよくないという話もありますが、
ウチの金属キャリッジはベルトの調整が難しいので
覚悟の上導入してみました。
結果、しっかりテンション掛かって、いい感じに張ってます。

以上。
テスト印刷は後日
3D-PRT31)3Mのマスキングテープを使ってみる。
2016.12.21
ABSはとても印刷がしやすい。
滑らかにフィラメントが送られ、ぬるぬると積層されていく。
詰まりも起きにくく、造形後に接着や研磨がしやすいので二次加工も簡単だ。
良くしなるので強度もあり、熱耐性もある。

ここまでの話ならABSに弱点が無いように感じますが、
致命的な弱点がABSにあります。
それは熱収縮。
精密な部品を作るには向かないのです。
一番困るのが、反り。

いままで


トンボ鉛筆 スティックのり シワなしピットG
を使っていたんですが、
ABSを使うためにヒートベッドを80度以上に温めて使うと、
一瞬で乾いてしまって、フィラメントは乗りはするものの、
ただ乗っているだけでノリの効果は殆どなく、
積層をすすめていくとモリモリ反っていくわけです。
印刷開始を60度くらいにして、2層目くらいから90度まで上昇させる設定にしても
今度は温度が低すぎて反りの力が強まるのか、抑えきることができない。

対策を考えていたところ、一番お手軽な方法でメジャーなのが、
3Mのマスキングテープを張るというもの。



ネット情報では黄色い方を薦める方がいましたが、
レビューをみるとどちらも同じ性能を発揮しているようです。
きっと若草色の方は、別タイプの製品があるので
それと混同しているのでは?と判断。
あえて、若草色を購入してみました。


(ところが発注ミス! 誤って15mmのタイプを注文してしまいました。)

気にせずトライ。


結果

素晴らしい。定着度が格段にアップです。
逆にABSの反りに負けて、テープがガラスから剝がれてしまうことがあるほど。
ガラスの縁に巻き付けるように貼ればそれは防ぐことができました。
ただ、繰り返しの使用は難しいようで、2回ほど使ったら張り替えた方がよさそう。
印刷物を取り外すときに、定着しすぎて剝がれないことがありますが、
テープごとガラスから剥してから外すといった使い方もできるのもいいですね。
あと、シワ無しピットだと洗い流したいときにヒートベッドを一度冷ましざるを得ないのですが、
テープだとその場で張り直しが効くので(ヤケド注意)時間の短縮にもなります。
シワ無しピットをヒートベッドで温めると独特な臭いがあったのですが、
それもなくなってGood!

最近は3Mの「3Dプリンタープラットフォームシート(3枚入) 」が
人気のようです。印刷面がツヤツヤになりとても美しく、がっちりくっ付くと評判。



3枚しか入ってないので、耐久性が気になるところですが、
余りにもしっかりつくので、こんな感じ(↓)のスクレーパーでそぎ落とす必要があるそうな。



3Dプリンタープラットフォームシート(3枚入) 」は様子見です。耐久性のレビューがたくさん出てきたところで
購入を考えてみたいと思います。
3D-PRT30)ABSのフィラメントにチャレンジしてみた
2016.11.16
いままで必要な部品をPLAで印刷してきたのですが
いよいよ熱による強度変化に問題がでてくることが多くなり、
ABSに乗り出すしかない状況になってきました。
ヒートベッドは85度くらいまでしか上がらないので、
自信がなかったのですが、問題という問題はまったく起きず
キレイに印刷されちゃいましたよ。

1層目が240度、2層目以降は225度に温度を設定しています。

0.05mm積層ですが、1層目は130%にしてますので少し厚みがあります。
1回目のテスト印刷では逆にガラス面に強固にくっつきすぎて、
無理にはがそうとしたらレイヤー1層目が本体から剥離してしまい
壊れてしまいました。PLAではこんなことなかったんですがねぇ・・・
下の写真は2回目に印刷したものです。
 




左が表、右が裏。
文字もはっきり印刷されていて、PLAのときより鮮明です。
上面の層をもう一層増やせばザラザラ感もかなり無くなっていたと思います。
裏面は少し変色していますが、スティックのりの変色だと思います。

ABSは出力したあとの収縮が一番問題視されますが、
近日部品を印刷するので、それでチェックしてみたいと思います。
3D-PRT29)レイヤー1層目の印刷の粗さを解決する
2016.11.15
モアイの印刷でもそうでしたが、1層目の印刷が上手にいきません。
定着が甘いだけでなく、線が細い気がするのです。
印刷されたものはザルのように網目状の物になります。

思い起こせば、この症状はDRV8825に交換したあたりから出てるような気がするなぁ・・・
なんてことが頭に過り、
もしかしてConfiguration.hのDEFAULT_AXIS_STEPS_PER_UNITの
値を300にしていましたがここが間違っているのでは??
なんてことも考えたりしちゃうわけです。
ここを試しに600にして印刷してみると、1層目はかなりきれいに印刷されるのですが、
上に積み上げられていく部分はフィラメント過多でぐちゃぐちゃになります。
そもそも300の時で、エクストルーダーから吐き出されるフィラメントの長さが
指定通り正確に刻まれています。
ということは設定ミスでも無いわけで、しばらく途方に暮れていたのですが、
運よくこの↓ページを見つけまして、
http://forum.genkei.jp/forums/view/4
オフセットをベッドの高さから0.1mmにしますと、
今までのことがウソのように治りました。
定着も綺麗で、艶も出て、網目にならず全面が塗られている。
まさかこんな単純なことだったとは・・
「ノズルでフィラメントを押し広げながら移動している」
このイメージが重要なんですね。
参考したホームページではタイトルに
「1層目を制したものが3Dプリンターを制する。」
と書かれていますが、まさにその通りだなと実感しましたね。

1層目をきれいに塗れたことで水平の微調整も印刷物の艶を見ながらかなり追及できました。
3D-PRT28)モアイ印刷
2016.10.13
定番中の定番、みんな大好きのモアイを印刷します。
http://www.thingiverse.com/thing:144668
印刷状況を確認する為なので、40%まで小さくして出力しました。
製品仕様は0.1mmまででしたが、思い切って0.05mmにもチャレンジです。

左が0.1mm積層、右が0.05mm積層です。



人差し指の第一関節程度の大きさしか無いので、
細かい部分を普通のカメラで写すのは難しいと思い、
マクロレンズで撮影してみました。

それぞれ、ファーストチャレンジは失敗してしまいましたが、
いろいろ調整するうちに、なんとか写真に写せるレベルまでいきましたよ。
プライムピラーを立ててないので、モアイの頭頂部が溶けちゃってますが、
それはご愛敬ということで(;´・ω・)

人間の目では0.1mmでも十分綺麗に印刷されているように見えるのですが、
写真にすると、0.05mmの圧倒的解像感に驚きます。
しかもシマシマが縞というより艶の一部として役立っていますよ。
よく見ると、0.05mmモアイの鼻の穴や、アヒル口もキレイに再現できてますね。

まだ残っている問題点は、一層目の定着です。



0.2mmだと、そこそこ綺麗に印刷されるのですが、
0.1や0.05mmだと、なぜか全面に塗られない。
線の細さに合わせて面積分の十分なフィラメントを送り出せてないようにも見えます。
一層目だけ、速度遅くしたりしてみましたが、あまり改善が見られません。
つぎは一層目だけ高さを厚くしてみますかね。
まだいろいろ調査が必要です。
めざせ、マエストロ!

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印刷の詳細を書いておきます。

フィラメントはAspecのPLAでブラック


ノズル径は0.4mm
吐出量 1.00
溶融温度 1層目200度、5層目から180度に。
ベッド温度 1層目60度、5層目から30度に。

リトラクション 3.4mm
移動時のZ軸退避量 1mm
各レイヤー終了間際の吐出止め 0.2mm前
各レイヤー終了間際のノズルの拭きとり 1mm
オーバーラップは20%

インフィル ハチの巣状で密度30%
標準印刷速度60mm/s
外周の速度50%
1層目の速度は30%
(実際は物が小さいので6mm/sで印刷されています。)

印刷物への冷却は大型サーキュレーターを使ってテストしてみましたが、
無くても問題ありませんでした。

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